歌や楽器の上達は「分からない」からはじまる。

「分からない」

って、誰かに言うのって、
ちょっと後ろめたい感じがする。

なんかかっこ悪いし、
恥ずかしいし、怒られそうだし。

学校などでの経験から
そんなふうに感じて

分かったふりをしたり、
「分からない」と
言わなくなったり
することがあります。

でも、なにかを学ぶ上で
その「分からない」って
ものすごく貴重だし、

僕たちサポートする側にとっても
とてもありがたい
きっかけになるんです。

上達は「分からない」からはじまる。

僕はいま、
歌やギターや勉強を学びたい人を
サポートする仕事をしています。

その仕事をしていて、
とても助かるのが
「分からない」という一言です。

「ここが
 分からないんですけど……」

と聞いてもらえると、
その人が
いま、どこにいるかが分かります

それだけではありません。

僕自身が
「そこ、どうやって
 できるようになったんだっけ?」
と考えるようになるんです。

たとえば、最近ホットな
ギターガールズで言えば、

「このコード、どう押さえるの?」

「コード表の見方が分からない」

と、たくさん質問がきます。

それは僕にとって
すでにクリアしたところなので、
やってみせることは簡単なんですが、

「どうできるようになったか」

「どういう順序でクリアできるか」

を説明するのは、
なかなか骨が折れます。

でも、それを思い出したり、
言葉にしたりすることで、
彼女たちができるように
なるところまで
ガイドすることができます。

ジャラーンと鳴った新しいコード。
「できた。」と目を輝かせる表情。

僕は知っていることを伝えただけなのに、
それだけで、ぽっと灯りがともります。

その「手ごたえ」を共有できると
なんとも言えない
うれしい気持ちになるんです。

歌や楽器の上達は
「分からない」という一言、

もっと言うと
「分からない」と感じた瞬間
からはじまります。

「分からない」と言ってくれ。

場面変わって、
夜間に児童館で行っている
中学生の学習会には、
質問をしない
子どもたちがいます。

ある子は、
コミュニケーションをとるのが苦手。

ある子は、
「自分はできる」と思っている。

ある子は、
間違えを認めるのがいやだ。

どの子についても、
関わっている僕たちは
「いま、どこにいるのか」
が分かりません。

なので、
先に書いたような
「分からない」という
質問からはじまる
出会いが起こりません。

その一言があれば、
行きたい場所までいくのを
手伝えるのに!

僕たちはどこかで
「分からない」のは
後ろめたいこと、
恥ずかしいことだと
思わされている気がします。

でも、なにかを学ぶとき、
「分からない」
と言ってもらえることは、

関わりのはじまりになるんです。

そして「分からない」を
言わないでいると
同じところを
ぐるぐる回るだけで
時間を浪費することに
なりかねません。

「分からない」と言ってくれ。

昔、『愛していると言ってくれ』
というドラマがありましたが、
なんだかそんな感じで言いたいほど、
その一言は
上達のきっかけになるし、
サポートする側にとっても
うれしいことなんだよ、
と伝えたいのでした。

あなたには、いま、
分からないことはありますか。

それを誰に、
伝えることができますか。

㐧二音楽室 澤 祐典 拝
(もしどこか響くところがあったら
 コメントをもらえるとうれしいです。)

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